香典はどうやって渡せばいい?シチュエーションごとにご紹介!

公開日 : 2020/6/14

更新日 : 2020/9/10

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通夜や葬儀の際に持参する香典。香典の渡し方は喪主との関係や葬儀への参加・不参加、その他さまざまなシチュエーションによって変わってきます。相場や包み方といった香典の基礎知識から、シチュエーションごとの香典の渡し方についてご紹介します。

公開日 : 2020/6/14

更新日 : 2020/9/10

目次

香典の準備と渡し方を知っておこう

葬儀の際には香典が必要となる場合がほとんどです。香典は高額になる葬儀の費用を賄い、故人を供養する心を表す物です。そのような大切な香典には、細かなしきたりやルールがあります。

 

中に入れるお金の相場から始まり、香典袋の選び方や書き方、お金の入れ方、渡し方一つとっても、地域や宗派、状況に応じて変えていかなくてはなりません。今回の記事では、香典の渡し方をシチュエーションごとに細かく解説します。香典袋の選び方や使い方もご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

香典の準備はどうすればいい?

まずは、香典を準備する際の注意点についてご説明します。香典紙幣や香典袋の選び方など、その一つひとつに葬儀ならではのマナーがあります。地域によって異なることもありますので気をつけましょう。

紙幣の選び方

紙幣はなるべく奇数にします。偶数は2で割り切れるため、別れを連想させるからです。
また、香典の紙幣は新札でない方が望ましいです。新札しかない場合は軽く折り目をつけておくと良いでしょう。

香典袋の選び方

香典の袋は白黒結び切りの水切りをついたものを使います。結び切りは一度結ぶとほどけないことから、繰り返しを避けたい儀式やお祝いの際に使われます。結び切りの一種である「鮑(あわじ)結び」も使えます。

 


また、弔辞ののし袋として黄白の結び切りの香典袋が売られている地域もあります。主に法事で使われるものなので、葬儀では白黒の物を使いましょう。蓮の花が描かれた香典袋は仏教専用ですので、多宗教の葬儀の際には使えません。

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香典袋の使い方

一般的には、のし袋には中袋が入っていますので、金額、住所、名前を書きます。金額を書く際は、漢数字の「一」、「二」ではなく、「壱」、「弐」などの旧字体を使います。

 


中袋が準備できたら、紙幣を入れます。紙幣の向きは中袋の表面に紙幣の裏が向くようにし、金額が見えるように肖像画を下にします。また、香典袋をたたむ際には、袋をひっくり返して右・左・下・上の順に折ります。

表書きの書き方

表書きを書く際には薄墨を使います。薄墨には「涙で墨が薄まってしまった」という意味合いがあります。薄墨を使うのは通夜と告別式のみで、それ以降は濃墨を使います。

 

弔辞の香典の表書きは、一般的には葬儀を含む四十九日以前は「御霊前」とします。良く似た表現の「御仏前」は四十九日以降に使われる表書きです。ただし、浄土真宗では霊という概念がないため、葬儀の香典も「御仏前」と書きます。分からない場合は「御香典」とすると無難です。また、神道は「御玉串料」、キリスト教は「御花料」と書くのが一般的です。

名前の書き方

表書きの下には名前をフルネームで書きこみます。また、夫婦ともに故人様と近しい関係の場合は、夫婦連名で香典を出すこともできます。その場合は、表書きの下に夫の名前をフルネームで書き、その左横に妻の名前を書きます。結婚の報告をしておらず、新姓に変わったことを知らせていない場合は、中袋に住所・氏名を書く際、氏名の左横に「旧姓:〇〇」というように書き込みます。

 

夫の代理で妻のみ参列する場合は、香典袋には夫の名前を書き、その下やや左寄りに「内」と書きます。上司や友人の代理で香典を持っていく場合は、香典袋には被代理人の名前を書き、その下やや左寄りに「(代)」と書きます。

 


また、連名で香典を渡すことも可能です。3人以下であれば全員分のフルネームを香典袋に書きます。4人以上の場合は代表者の名前を書き、その左側に「他一同」、もしくは「外一同」と書き入れます。また、連名で香典を渡す際は、全員分の金額、住所、氏名を書いた紙を同封しておきましょう。

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ふくさの選び方・使い方

香典袋を持ち運ぶ際はふくさに包みます。弔辞のふくさは灰色や深緑といった落ち着いた色のものを選びます。濃い紫色のふくさなら慶弔両方で使えますので、一つ持っておくと便利です。

 

ふくさは一枚布になっている物、閉じるための爪がついている物、袋の形をしている物など様々です。袋状の金封袱紗は略式と言われていますが、特にこだわらず、使いやすい物を選んで大丈夫です。

香典の渡し方

香典は通夜、もしくは葬儀のいずれかで渡します。通夜で香典を渡した場合は、葬儀の際には香典は不要です。一般的には受付がありますので、そちらで渡します。「この度は誠にご愁傷様です」などとお悔やみの言葉を述べ、ふくさから香典袋を出してふくさの上に置き、反時計回りに180度回転させて相手に渡します。

こんな時はどうする?シチュエーション別の渡し方

一般的な香典の渡し方は先ほどご紹介した通りです。しかし、普通とは違う状況で香典を渡さなければならなくなった時には、その時々に応じて適切な対応を取らなくてはなりません。特殊な状況での香典の渡し方をご紹介します。

葬儀に参列する場合

葬儀に参列する場合は、基本的には受付に渡します。しかし、自分が受付だったり、喪主が身内だった場合はどうすれば良いのでしょうか。また、代理人として香典を渡す場合には、普段の渡し方と違った点はあるのでしょうか。ご説明しましょう。

自分が受付役

先ほどご紹介した通り、香典は受付の際に渡します。しかし、自分が受付役を頼まれた場合はどうすればいいのか迷ってしまうかもしれません。基本的に、受付は二人一組で担当しますので、受付が落ち着いた時にもう一人の受付役に香典を渡せば大丈夫です。

身内に渡す

最初にご紹介したとおり、香典は葬儀費用を補助するお金という意味合いがあります。そのため、喪主が同一家計の身内である場合は、香典は不要です。しかし、結婚して家を出ているなどで家計が別の場合は、身内にも香典を渡すようにしましょう。

 

基本的には一般の参列者と同じく受付で渡しますが、地域や家によって違いがありますので、心配な場合は年上の親族に聞きましょう。

人から預かった香典を渡す

人から預かった香典を渡す場合は、先ほどご紹介したように香典袋の名前の横に「(代)」と書きます。受付の際には、「〇〇の代理で参りました」とはっきり伝えます。記帳は香典を準備した本人の住所と名前を書きます。間違えないように事前に確認しておきましょう。

香典を辞退された

新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、親族やごく近しい友人だけで行う家族葬やオンライン葬儀が増えています。そのような葬儀の場合、招待された際に「香典は辞退します」と言われる場合があります。

 

主催者から香典辞退の意を示された場合は、香典は準備してはいけません。香典を渡すと香典返しの準備が必要となり、主催者に負担をかけてしまいます。同じ理由で、供物や供花を辞退された場合も、贈るのはやめましょう。

葬儀に参列しない場合

どうしても用事がある、斎場が遠方にあるという場合は、葬儀を欠席しても問題ありません。しかし、その際にも香典はきちんと渡す必要があります。マナーをきちんと守り、実際に会えなくても気持ちが届くようにしたいものです。

代理人に香典を預ける

どうしても葬儀に参列できない場合は、代理人に香典を預けても問題はありません。直接渡すのと同じように、きちんと香典袋に入れて準備しておきましょう。どうしても香典袋が準備できない場合は、袋代を代理人に渡しましょう。また、正しく記帳ができるように、住所と氏名を書いた紙を渡しておきましょう。

後日訪問して渡す

葬儀に参列できなかった場合、家が近い場合は後日弔問して香典を渡すのも良いでしょう。ただし、必ず事前に連絡してから行くようにしましょう。喪服ではなく、慎ましやかな雰囲気の平服で訪問します。

 

香典は黙って仏壇などに置くのではなく、葬儀に参列できなかったお詫びと哀悼の意を込めた言葉を添え、ご遺族にお渡しします。香典を渡したら長居はせず、短く故人様の思い出話をして、すぐに帰りましょう。

郵送する

遠方のため葬儀に参列できない、もしくは弔問を辞退されたという場合は郵送で香典を送ると良いでしょう。香典は手渡しの際と同じように香典袋に入れ、現金書留で送ります。レターパックや宅配便で現金を送るのは禁止されています。

 

手紙も同封できますので、参列できなかったお詫びや、ご遺族を労わる言葉を書いた挨拶状を入れると喜ばれます。遠方で香典返しも郵送をしなければならない場合は、「勝手ながらお香典返しは辞退させて頂きます」というような一文を添えるのも良い気遣いです。

香典の渡し方についてまとめ

香典はほとんどの葬儀で準備しなくてはならない大切な物です。香典袋の選び方や表書きの書き方、渡し方一つとっても、宗派や地域、シチュエーションごとに細かな違いがあります。お金が関わってきますので、間違いや失礼のないよう、一つひとつのことに十分に気を配りましょう。

 


また、最近では香典が不要な葬儀も増えています。必ず必要な物だから、と思い込んで香典を渡すと、却って先方への負担になります。葬儀の様式が変化するとともに香典の扱いも日々変化していますので、しきたりばかりにとらわれず、ご遺族への心配りを忘れないようにしましょう。

 


細やか配慮をすることで、香典は単なるお金ではなく、ご遺族への温かな心遣いもなります。香典を渡す際には、マナーや作法を守るのはもちろん、ご遺族への思いやりを忘れないようにしましょう。