【お盆】盆提灯とは?意義と伝統的な飾り方を解説!【風習】

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/10

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お盆の際に飾る盆提灯。初盆をむかえるにあたり、どのように飾ればいいか分からない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。盆提灯にはどのような種類があるのか?どのように飾ればいいのか?またいつまで飾ればいいのかといった点について、くわしくご紹介します。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/10

目次

そもそも盆提灯とは?

お盆の時期になると、軒先などにカラフルな提灯が飾られているのをご覧になったことのある方も多いのではないでしょうか。

 

これは「盆提灯(ぼんちょうちん)と呼ばれるものです。都会では最近ではあまり見かけなくなりましたが、地方では今でも飾られているのを見かけることは珍しくありません。

 

盆提灯は、お盆のお供えものの1つです。お盆の時期にご先祖の魂(霊=みたま)がこの世に戻ってくる際に、盆提灯を目印に帰ってくると伝えられています。

 

特に故人がなくなってはじめて迎えるお盆、いわゆる初盆では、盆を迎える家に親族らが盆提灯を贈ることが習わしになっています。

初盆には白い盆提灯を飾る

故人が亡くなってはじめて迎えるお盆を「初盆」と言います(「新盆」とも呼ばれます)。より正確には、四十九日があけてはじめて迎えるお盆です。

 

色あざやかにお盆をいろどる盆提灯ですが、この初盆の際には白い「白提灯」を飾ることになっています。一般的には白木を使って作られています。

 

初盆の際には親族や故人と親しかった人たちが、この白提灯を贈ります。白提灯が多く飾られているということは、故人が多くの方から慕われていたあかしとも言えるでしょう。

 

葬儀でも、友好関係が幅広かったり、地位が高かった故人の場合は祭壇に供花が多く並びます。白提灯も、同じような意味あいを帯びていると言えます。

 

白提灯は初盆のあと、菩提寺で燃やして供養してもらいます。一般的には、お盆あけとなる17日以降に供養が行われます。

浄土真宗では盆提灯を飾らない

盆提灯で気をつけなければならないのは、浄土真宗(真宗)では、盆提灯は飾らないということです。提灯にかぎらず、浄土真宗では、送り火を焚く・精霊棚を用意するといった、他宗派で行われているようなお盆の行事を行いません。

 

浄土真宗には、「即身成仏」という考え方があります。亡くなった方はこの世で仏となるため、お盆に帰ってくるとされる「霊(みたま)」という考え方そのものがありません。そのため、他宗派で行われるようなお盆のお供えは行われないのです。

 

盆提灯の種類

盆提灯は、大きく分けて「床に置くタイプ」と「上から吊り下げるタイプ」の2種類があります。白提灯はもちろん無地ですが、それ以外の盆提灯には、蒔絵(まきえ)などあざやかな図柄・模様、また家紋などが描かれます。なお「行灯」は「あんどん」、「提灯」は「ちょうちん」と読みます。

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床に置くタイプ

床に置くタイプの盆提灯です。主に室内で使われます。葬儀の際に使用されるのも、多くはこのタイプです。

大内行灯

提灯の下が三本足になっており、上に持ち手が付いています。おそらく「盆提灯」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのがこのタイプではないでしょうか。また、家紋を入れて飾られることも多いです。

回転行灯

提灯が筒状になっており、回転するタイプの盆提灯です。中のあかりの熱により回転するタイプが一般的です。見た目にも楽しく、お盆にふさわしい幻想的なあかりで周囲を包んでくれます。

上から吊るすタイプ

軒先や天井など、上から吊るすタイプの盆提灯です。スペースに余裕がない時に有用です。

御所提灯

提灯部分が壺のような形状になっている盆提灯です。岐阜県の名産である美濃和紙で作られていたことから、「岐阜提灯」とも呼ばれています。吊るすタイプでは、もっともポピュラーな形状です。

住吉提灯

博多の住吉町が発祥とされており、提灯部分が細長い円筒形になっていることが特徴です。御所提灯より、狭いスペースでも飾りやすい形状です。

門提灯

「門」の名の通り、軒先など家の外に飾る盆提灯です。外に置くことから、家紋を大きく入れて飾られることが多いです。

地域によって使われる盆提灯

ご紹介したもののほか、各地域のみで使われているローカルな盆提灯もあります。

 

北関東では「岩城(いわき)」という、やや細長い、吊り下げタイプの提灯が使われています。主に家紋を入れて使用します。同じく北関東では「大鉢」という盆提灯もあります。

 

北九州では「博多長」という、細長い吊り下げタイプの提灯が使われています。同じく九州発祥の住吉提灯と似ていますが、提灯から房が垂れていることが特徴です。

 

盆提灯の飾り方

盆提灯は、屋内・屋外どちらにも飾られます。基本的には屋外では軒先などに吊り下げられるタイプ、屋内では床に設置するタイプが使われることが多いです。屋外では、門提灯など家紋を大きく入れた盆提灯を使うようにしましょう。

 

飾るのは、一般形には8月13日〜16日のお盆の期間に飾ります。暗くなった夕方〜夜間にかけ、あかりを灯します。初盆の場合は上でふれましたように、17日以降に白提灯を菩提寺で燃やして供養します。

 

地域によっては7月がお盆とされているところもありますが、その場合も8月と同様、13日〜16日に飾ることが一般的です。

 

初盆の際は白提灯ですが、盆提灯は、さまざまなデザイン・色あいのものが市販されています。単に飾るというのみならず、故人の霊を迎える「場」を演出する、そんな楽しみもできるのが大きな魅力です。

盆提灯はレンタルもできる

盆提灯はさまざまなものが市販されていますが、お盆の時期のみ使うのに買うのももったいない…という方には、盆提灯をレンタルするサービスも行われています。

 

仏壇店などであつかっている場合が多く、レンタルするだけでなく、飾り方などのアドバイスをしてもらえる可能性も高いでしょう。盆提灯を飾ることにはしたが、何からどうすればいいのか…という方には、まずレンタルからはじめてみるのもひとつの方法です。

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盆提灯は何年飾ればいいのか?

故人が亡くなったあと、初盆には白提灯を飾ります。その後、2〜3年は盆提灯を飾り、少しずつ飾る数を減らしていくのが一般的です。

 

ただ、「何年」と特に決まっているものではありません。盆提灯は、故人の霊が帰ってくる際に目印とするものです。数は減らしても、毎年お盆になれば飾り、供える意義があります。

まとめ

盆提灯は古くからの風習であり、お盆の時期に色とりどりな盆提灯のあかりが町をいろどるのは風情のあるものです。初盆の際の白提灯など、故人の交友・親交の幅広さを示す、といった意味合いもあります。

 

ご紹介しましたように地域によってさまざまな提灯が伝えられているのも、各地域の社会と密接に結びついてきた風習である証しとも言えるでしょう。

 

市販されている盆提灯には、デザイン性の高いものや、カラフルな色あいが楽しめるものも多くあります。霊を迎えるという儀礼的な意味あいだけでなく、お盆を演出し、その雰囲気を楽しむことのできる風習でもあると言えるでしょう。