死化粧とは?やりかたと費用、エンバーミング等との違いを解説

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/10

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葬式を行う際は、故人のご遺体を清めたうえ、死化粧を施します。葬儀会社と連携して遺族が死化粧に参加する場合があるため、流れを知っておくと万が一の時にスムーズです。今回は、「死化粧」について、流れと費用、湯灌等との違いを解説します。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/10

目次

死化粧とは

葬儀に参加したことがある人は、「まるで生きているように綺麗だ」と感じた人がいると思います。これこそ、ご遺体に施した「死化粧」によるものです。ご遺体に化粧を施すことで、生前の印象に近づけていきます。

 

具体的には後述しますが、「傷口をふさぐ」「衣装を整える」「化粧を施す」という順番でご遺体の見た目を整えます。非常に奥が深いもので、最近では葬儀社の会社員をターゲットにした「死化粧の専門学校」があるほどです。

 

死化粧を行うタイミングは、「亡くなってから納棺されるまでの間」です。つまり、納棺されたご遺体には、すでに死化粧が施されているということです。

最近は「エンゼルケア」と呼ぶこともある

人が亡くなった悲しみを和らげ、優しさと労りをイメージする言葉として、「死化粧」に代わって「エンゼルケア」ということがが使われるようになりました。「エンゼル=天使」ですが、キリスト教由来の言葉という訳ではありません。

 

ただし、ご年配の方を中心に、「エンゼルケア」という言葉そのものに疑問や抵抗を感じる人も少なからずいる点に注意が必要です。

 

受け手の反応を考えながら、「死化粧」と「エンゼルケア」を使い分けると良いでしょう。

死化粧(エンゼルケア)専門スクールもある

かつて、死化粧と言えば、「病院で亡くなった際に看護師が施すもの」という印象が強いものでした。しかし現在では、看護師だけでなく「葬儀社の社員」が行うことも増えてきました。亡くなる場所が多様化したことで、葬儀社員が行うニーズが増したのです。

 

葬儀社の社員が死化粧を学ぶ場として、専門学校もオープンしています。死化粧に関する資格を取得することで、葬儀社の「セールスポイント」になっていることもあります。

 

故人のご遺体を少しでも生前の姿に近づけたい場合は、専門知識を学んだ社員が在籍する葬儀社を選ぶことが必要になるでしょう。

死化粧の流れ・やり方

死化粧の大まかな流れは、病院や葬儀社で大きく変わることはありません。基本的には、古くから決められたやり方を現在でも継承しています。

 

死化粧の流れは「ご遺体を清める」→「薄化粧をする」→「白装束を着せる」という順番で進んでいきます。ここでは、死化粧のやり方と流れを紹介します。

ご遺体を綺麗に拭く

化粧を行う前に、ご遺体の見た目を整えます。医療器具を取り外した時に傷が残ってしまった場合、必要に応じて傷口のケアを行います。鼻腔内やお腹の中の内容物を排出するのも、このタイミングです。

 

次に、ご遺体の口腔内をアルコール等で拭いていきます。こうすることで口の中の汚れを取り、あとからニオイが発生するのを防ぐのです。

 

必要であれば髪を整えて、爪を切って長さを整えます。

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薄化粧をする

死化粧のメインとなる部分です。多くの人は死化粧=薄化粧のことをイメージします。ただ化粧をするわけではなく、長い闘病生活を経た方であっても生前の姿に近づけるため、工程通りに行うことが重要です。

 

ファンデーションは粉でなく液状を使い、肌によく馴染ませます。また、ピンク系の口紅を使うことで「血色が良いように」見せることも必要です。ご遺体は肌の乾燥速度が速いため、素早く正確に化粧を施さなければいけません。

 

また、男性であればヒゲを剃って整えることもあります。肌が固い場合は、化粧のりが良くなるように乳液などで肌を柔軟にすることもあります。

白装束を着せる

故人があの世へ旅立つ格好である「白装束」を着せるのも、「死化粧」の一部です。白装束は、かつて僧侶のお遍路で用いられていました。つまり「白装束=死者の服装」ではなく、「旅立つための格好」という認識が正しいです。

 

白装束を着せる際は、通常の着物と違い、「左前」になるようにしなければいけません。これは、日本の葬儀では通常と逆のことを行う風習があったために、それが残ったものと言われています。

 

白装束を着せた後は、「手甲」「脚絆(すねあて)」「足袋」「三角頭巾」等を着せていきます。

故人が好んだ服を着せる場合もある

かつては白装束を着せるのが葬儀の定番でしたが、最近は「故人が好きだった服装を着せて旅立たせる」という選択肢もあります。

 

故人の生前の姿に少しでも近づけたい場合、故人に着せたい服装が明確に決まっている場合は、病院や葬儀社に相談してみると良いでしょう。

死化粧を行う人

かつては病院の看護師が行うものとされた死化粧ですが、近年では看護師の他に「葬儀社」や「遺族」が行うパターンもあります。

看護師

基本的に、病院で亡くなった場合の死化粧は看護師が行います。ただし、死化粧を行うか行わないかは病院の方針によって異なります。病院で亡くなったのに死化粧をしてもらえない場合は、葬儀社に相談することになるでしょう。

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葬儀社

病院が死化粧を施してくれない場合は、死化粧をアピールポイントとしている葬儀社に依頼することが可能です。近年では死化粧の専門資格をもつ社員が在籍している場合もあります。

 

どの葬儀社にするか迷っている場合は、1つの判断材料になるでしょう。

遺族

看護師や葬儀社だけでなく、遺族自らの手で死化粧を施すこともできます。一般的には、看護師や葬儀社の死化粧に立ち会う形で参加する人が多いです。

 

また、親族や友人に化粧のプロがいる場合、その方に頼むという方法もあります。

湯灌との違い

湯灌とは、ご遺体をお風呂に入れて清める行為を指します。死化粧における「清拭」と同様に、「身体の穢れを落として清める」という意味があります。

 

多くの場合で葬儀社などの専門業者が行い、10万円前後の費用がかかるため、近年では湯灌を行わない家庭も増加しています。その場合でも、死化粧の手順の「清拭」は必要です。

エンバーミングとの違い

エンバーミングは、「ご遺体を修復・保全することで保存させるための処置」をいいます。綺麗にすることは目的ではなく、あくまで「腐敗させないため」の処置です。

 

専門業者しか処置を行うことができず、死化粧と違って立ち会うこともできません。費用も高額で、一般的には25万円前後がかかるといわれています。

死化粧の費用相場

死化粧を病院で行う場合は、費用は掛かりません。ただし、病院から外部業者に依頼された場合は費用が発生します。1万~2万円前後が相場です。

 

葬儀社に依頼した場合は、5万円前後かかることが一般的です。

死化粧のやり方まとめ

今回は、「死化粧(エンゼルケア)」について、やり方と費用、「湯灌やエンバーミングとの違い」を解説しました。看護師や葬儀社だけでなく、希望すれば遺族が手伝うことも可能です。

 

できる限り生前に近い姿で旅立ちさせてあげられるように、やり方を勉強してみましょう。