【宗教別】戒名のランクや使う文字数・値段について徹底解説

公開日 : 2020/10/10

更新日 : 2020/12/8

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仏式では亡くなった方に戒名をつけます。仏式にも様々な宗派があるため、すべて共通した戒名ではなく、ランクによって値段も変わります。そこで、宗教別の戒名やランクの種類や値段の相場など基本的な情報をまとめましたので、チェックしてみてください。

公開日 : 2020/10/10

更新日 : 2020/12/8

目次

戒名が必要なケースについて

戒名は日本に中国から仏教が伝わった時から始まり、歴史は古く故人に戒名を授けて、死後の安寧を祈る風習をするためにつけています。先祖代々のお墓に入るケースは、必ず戒名をつけた方がよく、寺院が管理するお墓に入るため、仏門に入ります。

 

菩提寺では、戒名をつけていない方を信徒とみなさないケースがあるため、法事を断られることがあるので気を付けましょう。しかし近年、葬儀の形が変わってきており、必ずしも先祖代々のお墓に入る必要はありません。供養の仕方はすべて共通ではないです。

 

永代供養・合葬墓・自然葬も増えてきており、お墓を持たない方もいます。供養形式で故人を弔う方もいて、年忌法要などを行わない方であれば、必ず戒名をつける必要はありませんので、自分がどのような供養をするのか明確にしましょう。

仏式でも戒名と呼ばない宗派もある

仏式では様々な宗派があり、戒名と呼ばず、別の呼び方をしている場合もあります。例えば、浄土真宗では戒名を法名(ほうみょう)と言い、仏門に帰依することを表す苗字の意味があります。また、日蓮宗では法号(ほうごう)と言い、江戸時代中期頃から使われています。

 

神道には戒名がありませんが、諡(おくりな)と言われるものがあり、この世での役目を終えて神々の世界へ帰るという意味があり、仏式の戒名と意味合いが似ています。このように、呼び方が異なりますが、どれも戒名と同じ意味があり、基本的な構成によってつけられます。

 

宗派によっても、使ってよい文字や文字数が異なり、宗教について詳しくなければ、どのような意味があるのかが分かりません。そこで、次からは宗教別に基本的な構造についてご紹介していきます。

戒名の基本的な構成一覧

戒名はどのようにつけられているのか、基本的な構成について解説していきます。宗派によっても内容が異なるため、自分がどの宗派であるかチェックしてみましょう。必要な文字数なども確認して、戒名について学んでください。

戒名は4構造からなる

基本的に戒名は2文字で表現しますが、現代では戒名以外に3つの号を合わせてつけられているため、4構造からできています。院号・道号・戒名・位号の4つで構成された戒名の文字数は8文字から15文字が一般的で、ランクによっても異なります。

 

院号は戒名の冒頭に付けられている漢字のことであり、大きな貢献を行ったとみなされた故人に贈られる称号で戒名の中で最も高いランクです。道号は院号よりもランクが低いですが、故人の趣味や性格・縁のある文字戒名に入れることができ、個性をプラスすることができます。

 

戒名は仏の世界に行くことができる証で、住職から故人に授けられます。生前に授かることも可能だったり先祖代々、伝えられた漢字を取り入れることもできます。位号は戒名の最後に付けられる2文字で、社会に対する貢献度によっても使い分けられています。

宗派によって構造が異なる

基本的な戒名の構成は院号・道号・戒名・位号となっており、これはランクが高い順に並んでいます。しかし、宗派によっても構造が異なるため、不安な方は確認してみましょう。浄土宗は院号・誉号・戒名・位号となっており、梵字(ぼんじ)が入ることもあります。

 

真言宗は梵字・院号・道号・戒名・位号の5構造で構成されており、梵字は、大日如来を表すアの文字を入れるのが特徴です。天台宗は院号・道号・戒名・位号で構成されていますが、梵字が入るケースもあります。日蓮宗は、院号・道号・日号・位号です。

 

日号は寺院や社会に貢献した方につけられるため、特別なものです。女性であれば、南無妙法蓮華経の中から2文字をもらい、日号に「妙」をつけます。曹洞宗・臨済宗は院号・道号・戒名・位号で梵字が入ります。浄土真宗は院号・釋号・法名で釋号はランクを表しています。

戒名のランク別でかかる費用

戒名はランクが高いほど、費用がかかってしまいます。浄土宗の戒名のランクが高い順からかかる費用で、院居士・院大姉は上限がありません。院信士・院信女は70万円以上、居士・大姉は50万円~60万円、信士・信女は30万円~40万円です。

 

天台宗・真言宗は院居士・院大姉は100万円以上、院信士・院信女は80万円以上、居士・大姉は50万円~70万円、信士・信女は30万円~50万円です。日蓮宗は院信士・院信女は100万円以上、居士・大姉は30万円~50万円とランクによって金額に開きがあります。

 

曹洞宗は院居士・院大姉・院信士・院信女は100万円以上、居士・大姉は50万円~70万円、信士・信女は30万円以上です。臨済宗は院信士・院信女は100万円以上、居士・大姉は50万円~80万円、信士・信女は30万円~50万円です。浄土真宗は法号をつけても20万円程度です。

戒名のランクを選ぶ基準について

お布施を多く出せば、誰でも高いランクの戒名をつけることは可能ですが、戒名のランクを選ぶ基準について押さえておきましょう。戒名をつけるときの基準は、ご先祖様と同じお墓に入る場合、ご先祖様より高いランクの戒名をつけないようにしましょう。

 

夫婦で同じお墓に入る場合は、二人の戒名のランクをそろえるのがポイントです。また、新たにお墓を建てる場合であれば、戒名のランクは自由に決めることができ、後で夫婦の戒名のランクを下げなくてよいように、生前に話し合っておくのがおすすめです。

 

昔から付き合いのある菩提寺があれば、戒名のランクについても相談することができるので安心です。逆に他の菩提寺に依頼すると、昔からの付き合いを悪化させてしまう可能性があるため、気を付けてください。初めての方は、葬儀をお願いする僧侶などに相談をしましょう。

戒名の費用を支払うタイミングやマナーについて

戒名の費用は高額であり、どのように支払えばよいのか疑問に思う方も多いです。また、支払うタイミングを守らないとマナー違反になるため、初めて戒名を支払う方は、内容をチェックしてマナーを守りましょう。

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戒名料の値段を確認しておく

戒名はランクによって値段が異なり金額も大きいため、戒名の値段を事前に確認しておくのがおすすめです。平均的な金額相場を把握しておくことが大切で、低い位の戒名をつけているのに高額な費用を請求される場合もあるため、気を付けてください。

 

不慣れな方であれば、提示された金額をそのまま支払うケースもあります。戒名料の支払いでトラブルにならないためにも、事前にどのくらいの費用がかかるのか確認しましょう。近年、信仰が薄い人も増えてきており、トラブルが発生する可能性もあります。

 

寺院側が戒名の内容と値段を分かりやすく明示をしてくれるところは安心で、具体的な金額を確認について説明を求めるのもトラブル回避につながります。付き合いのある菩提寺がある場合は、親族などに相談しておくのがおすすめです。

費用を支払うタイミング

戒名の費用を支払うタイミングは、葬儀が始まる前に僧侶へ挨拶するときが適しています。僧侶が忙しく、葬儀の前に挨拶しに行くことが難しい場合は、葬儀が終わった後でも問題はありませんので、タイミングを見ながら支払いをするようにしてください。

 

近年、様々な葬儀の形式があり、僧侶や寺院によっても考え方が異なるため、昔からの風習などがある場合も多いため、親族などに相談をしてどのタイミングが適しているのか情報収集しておいてください。また、戒名料は直接手渡しをしないので気を付けましょう。

 

戒名料を入れた袋は袱紗に包み、切手盆の上に乗せて差し出します。これが基本的なマナーであり、熨斗や表書き、袋の選び方は地域の風習に従って準備するようにしましょう。仏式であっても宗派によってルールが異なるため、事前に確認してください。

戒名料のトラブル回避について

亡くなってから戒名を準備する方が多いですが、実は生きている間に付けることも可能です。「生前戒名」といい、自分が生きている間に名前を準備することができるメリットがあります。亡くなる前に準備することでトラブル回避をすることができます。

 

本人が僧侶と直接話し合って戒名を決めることができるため、金額面でのトラブルも防ぐことが可能です。生前戒名の方が安く済むケースもあり、葬儀の費用を抑えたいと思っている方におすすめです。エンディングノートなど終活をする方もチェックしておきましょう。

 

ただし、生前戒名を準備するときは家族としっかりと話し合ってから決めるようにしましょう。家族がそれを把握していないと亡くなった後に、また戒名を準備して費用が発生してしまうことがあるので慎重に行ってください。

自分で戒名はつけることができるのか

戒名は自分でつけることもでき、僧侶にお願いしなくても問題はありません。また、費用を抑えることもでき、自分の好みに合わせた戒名を準備することが可能です。遺族の負担を考えて、戒名を自分で準備する人もいますが、僧侶に正式な戒名と認めてもらえない場合もあります。

 

戒名はもともと仏門に入るための死後の名前のため、僧侶に考えてもらうのが一般的です。菩提寺との兼ね合いもあるため、付き合いのある菩提寺から信徒と認めてもらえない可能性もあります。自分でつけた戒名によって、納骨を拒否するケースもあるため、気を付けてください。

 

菩提寺とのトラブルを回避するためにも、自分でつけたい戒名がある場合は、菩提寺に相談するのがおすすめです。戒名の仕組みを正しく理解した上で、自分で考えるのか僧侶にお願いするのか判断してください。

宗派間違いで対応で戒名を変更したいとき

仏式にも様々な宗派があり、勘違いをして戒名を準備してしまったケースも実際にあります。自分の家の宗派が何かわかっていない場合に多く、この時に戒名を変更することができるのかをご紹介します。

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戒名を変更できるケースとは

戒名は基本的に勝手に変更することはできません。正しい宗派の僧侶に事情を話して、どうするべきかを相談します。宗派の間違いトラブルは意外と多く、事情を理解された僧侶が戒名を変更してくれるため、まずは正しい宗派を確認するところから始めます。

 

そして、間違ってしまった宗派の僧侶に関しては、事情を話してからお礼とお詫びを述べるようにしてください。間違った宗派の僧侶に準備してもらった戒名のお布施や戒名料はもちろん戻りません。トラブル回避をするためにも、このことには触れてはいけません。

 

お礼とお詫びをしっかりと伝えて解決してから、正しい宗派の僧侶に戒名をお願いします。新たに戒名を準備するため、さらに費用が発生します。戒名料が二重にかかっていますが、正しい宗派を把握していなかったことから起こってしまっているため、了承の上で進めてください。

宗派を変更する

宗派を間違ってしまい戒名を準備してしまったケースは、そのまま間違いだった宗派に宗派を変える手段もあります。宗派にこだわりがなく、菩提寺にお墓がない方であれば、宗派を変えることができるため、正しい宗派に戻る必要もありません。

 

お墓も公園墓地などの宗派を問わず受け入れているような場所であり、菩提寺がないなら問題はなく宗派を変えることができるため、戒名を変更する必要はありません。菩提寺がある方は、住職に相談し宗派を変えてもよいのか確認してみましょう。

 

もし、菩提寺があり宗派を変えるなら、トラブルを防ぐためにも感謝の気持ちを表し、けじめをつける必要があります。檀家を離れることになるため、離壇料なども必要になるので確認しておいてください。

戒名入れについて

本位牌の準備をしないと戒名を入れることができません。葬儀の準備で忙しいですが、戒名入れも重要です。そこで、本位牌を作るときの注意点や戒名を本位牌に刻印する方法についてまとめてみました。

位牌は早めに購入しておく

戒名入れをするためには、本位牌を準備する必要があり、遅くても四十九日法要までに用意します。白木の位牌に表記されている戒名は、あくまでも仮であり、本位牌に刻印しなければいけません。戒名入れは2週間から3週間程度の時間が必要です。

 

よって、四十九日法要までに準備したいのであれば、逆算していつ頃に手配をしなければいけないか確認してみましょう。

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戒名を入れる方法について

1つの位牌に1人の戒名を入れるときは、位牌の中央に戒名を縦書きで入れ、右側には没年の年号と年を入れるのが基本です。左側には没年の月・日・享年を入れたら、裏面には故人の俗名を入れてください。

 

2人の戒名を入れる場合は、夫婦なら右側に夫の戒名・その左側には妻の戒名で、夫の戒名の右側・妻の戒名の左側に没年月日です。裏面には夫の俗名・妻の俗名を入れたら、俗名の端に享年月日を入れるのが一般的です。

戒名のランクや費用を把握しておく

戒名にはランクがあり費用も異なるため、初めての方であれば値段の相場を把握しておくことが大切です。安い金額ではなく、トラブルも発生しやすいため、事前にどのくらいの費用がかかるのか確認してください。

 

また、戒名のつけ方にも構成があるため、宗派に合わせてどのような内容になるのか、情報を収集し、自分の好きな文字を入れたい方は生前戒名という方法もあるため、準備してみましょう。