神道のお葬式とは?神葬祭の流れとマナーを詳しくご紹介します

公開日 : 2020/3/15

更新日 : 2020/9/10

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お葬式と聞いて多くの方が思い浮かぶのは僧侶の読経が響く仏式のお葬式だと思いますが、日本古来の神道にもお葬式の作法があります。神道でのお葬式は少ないですが、ないわけではありません。参列した時に戸惑わないようにこの記事で流れとマナーをご紹介していきます。

公開日 : 2020/3/15

更新日 : 2020/9/10

目次

神道のお葬式とは?

神道のお葬式は、仏式のお葬式に比べると非常に数が少ないですが、行われていないわけではありません。そのため、いつ神道のお葬式に出会うかわかりませんので、必要最低限の知識をこの記事で理解して頂ければ幸いです。

 

神道のお葬式は、「亡くなった人を、家の守護神に祀り上げるための儀式」であり、神職である斎主によって執り行われます。そして神葬祭は自宅や葬儀式場で行われますが、神社では行われません。

 

これは「死」が穢れであり、神様のいらっしゃる聖域である神社に持ち込んではならないためです。また穢れとは「気枯れ」とも書き、神道では気力が枯れている、つまり気力が無くなっている様を表します。

 

大切な人の死で悲しみ意気消沈するのは人として当然の気持ちでしょう。神道は決して亡くなった人を、穢れているとさげすんでいるわけではありませんので誤解しないように気を付けましょう。

 

神葬祭が行われるということは大切な人の死があり、この気枯れの最中である忌中や喪中は神社への参拝を避ける傾向があります。これは神社に気枯れを持ち込まないためと、悲しみに沈む心を癒してほしいとの考え方から生まれたものなのです。

正式名称は神葬祭

神道のお葬式の正式名称を「神葬祭」と言います。神葬祭はお葬式全般を指す名称で、その中には枕直しの儀・遷霊祭・通夜祭・葬場祭・発柩祭・火葬祭・帰家祭・直会など沢山の儀式があります。

 

これらの詳しい内容は後述していきます。

神葬祭の歴史

神道は、元々仏教よりも古くから日本の固有の宗教観として生まれ、根付いていました。その歴史は神話にも見ることができるほどです。しかし、仏教のお葬式が普及すると、神道でのお葬式は数を減らしていきました。

 

江戸時代にどこかのお寺に属さなくてはいけないという寺請制度ができて、さらに神道のお葬式は見慣れないものになっていきますが、江戸中期には神葬祭運動が起こり、神葬祭が再び日の目を見ることになりました。

 

現在では宗教の自由の観点から、人々は希望の宗教に則ったお葬式を行うことができ、神葬祭もある一定数行われているのです。

神葬祭の流れ

ここでは神葬祭の流れについて見ていきますが、神葬祭は神社や神葬祭を司る斎主によって考え方ややり方が異なります。これは、日本固有の宗教である神道は、自然崇拝・祖先崇拝から派生したもので、絶対的な教祖がいないためです。

 

そのため全国的に統一された神葬祭の流れというものがありません。ここでは、ごく一般的な神葬祭の流れをご紹介していきます。

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臨終・帰幽奉告(きゆうほうこく)

臨終を迎えるとまずはご遺体を自宅または葬儀社の安置施設へ安置します。その後、神葬祭では「帰幽奉告」を行います。帰幽とは亡くなったことを示す神道の言葉で、帰幽奉告は、亡くなったことを神様へ報告する儀式であり、家にある神棚や祖霊舎に向けて行います。

 

帰幽奉告の後、神棚と祖霊舎には白い紙を貼って神棚封じを行います。この神棚封じは、家族ではない第三者が行うのが望ましいとされていますが、第三者がいない場合にはそこ場にいる最も故人から遠い親族の人にお願いしましょう。

 

枕直しの儀

枕直しは、亡くなった方の枕元に神饌や常餞を供える準備のことをいい、仏教では枕飾りと同じ意味合いです。亡くなった方は北枕または西枕で安置をします。これは仏教に倣ったのではなく、もともと神道で北が上座であるからです。

 

枕元に八足などの台を置き、三方に神饌である水・米・酒を供え、常餞である故人の好きだったものを供えます。その他一対の蝋燭と榊も準備します。守り刀は刃を故人の方へと向けないようにして置きます。

 

その他、白い小袖があれば故人に着せるか、上からかけましょう。また、白い屏風があれば逆さにして(逆さ屏風)、故人の枕元に立てます。

遷霊祭・通夜祭

遷霊祭と通夜祭は、斎主によって別々で執り行われる場合と一緒に執り行われる場合があります。遷霊祭は故人の霊を、体から霊璽(れいじ)へと移す儀式です。霊璽とは故人の霊が宿る御神体で、仏教では位牌にあたるものです。

 

通夜祭では、斎主による祝詞奏上と、全員の玉串奉奠が行われます。遷霊祭と通夜祭を合わせておよそ1時間程度で終わります。

 

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葬場祭・告別式

遷霊祭と通夜祭の翌日には、葬場祭と告別式が行われます。葬場祭は斎主による祝詞の奏上や玉串奉奠などが行われ、30分から1時間程度で終わります。告別式は葬場祭が終わった後に、故人との最後のお別れの場として執り行われ、葬場祭と告別式を合わせて、1時間から1時間半程度です。

発柩祭・火葬祭

発柩祭は、霊柩車に柩が乗る場面で行われる儀式で、昔は葬列の出発の際に行われていました。霊前へ今から出棺をします、という奉告をするためです。火葬場に到着した際に、火葬祭が火葬炉の前で行われます。

 

火葬祭では、火葬炉の前に神饌を置き、斎主が祝詞を唱え、親族が玉串を柩の上へと乗せます。斎主の祝詞が終わると柩は火葬炉へと納められます。

帰家祭(きかさい)・直会(なおらい)

帰家祭は火葬を終えて戻ってきてから行う儀式で、神葬祭が無事に終わったと霊前に奉告する意味合いがあります。帰家祭が終わった後は、斎主や祭員(斎主の補佐)、親族やお世話になった人をねぎらうために、直会と呼ばれる食事会を開きます。

 

直会は、神葬祭に携わった人々を遺族が労ねぎらうためと、神葬祭を終えて遺族が普通の生活に戻るための区切りの儀式とされています。

神葬祭のマナー

神道のお葬式である神葬祭は、仏式のお葬式とはマナーが異なります。神葬祭に参列することは少ないかもしれませんが、いざという時に覚えておくとよいでしょう。なお、お葬式ということで、参列する服装に関しては神葬祭も仏式も変わりませんので安心してください。

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お参りは玉串奉奠

神葬祭ではお参りは玉串奉奠で行います。仏式では数珠を持ち焼香をしますが、神葬祭では焼香は行わず数珠も必要はありません。玉串奉奠とは、玉串を霊前に捧げることです。玉串は榊の枝に紙垂(しで)や木綿(ゆう)を付けたものであり、斎場に用意されています。

 

玉串奉奠の案内が入ったら席を立ち、スタッフまたは祭員から玉串を受け取ります。右手で枝を上から、左手で葉先を下から持ち、玉串案という玉串を置く台の前まで進みます。神前へ軽く一礼をしたあと、玉串を時計回りに回し、枝先を神前へと向け両手で下から支えて、そのまま台の上へと乗せます。

 

玉串を置いた後は、二拝四拍手一拝をしのび手(音を立てない)で行い、席へと戻ります。神葬祭を行う神社によっては二拝四拍手一拝のお参り方法ではない場合がありますので、斎場での案内に従うとよいでしょう。

仏教用語を使わない

普段何気なく使っている言葉の中には仏教用語と呼ばれる言葉があります。仏教が由来の言葉であり、神葬祭ではふさわしくありませんので、使わないように気を付けたいところです。

 

お葬式でつい使ってしまいがちな仏教用語には、「成仏」「冥福」「供養」「焼香」「弔う」「往生」などがあります。これだけでも、「どう遺族に挨拶をすればいいのだろう」と悩まれてしまう方もいらっしゃるでしょう。

 

しかし、「ご愁傷様です」「お悔やみを申し上げます」は神葬祭でも使うことができますし、他にも「御霊の平安をお祈りします」と述べると神葬祭に合わせた挨拶ができます。

神道のお葬式について

神道のお葬式は、神葬祭と呼ばれ少ないながらも執り行われています。仏式のお葬式に慣れてしまっていると、いざ神葬祭に参列することになった時には戸惑ってしまいがちですので、この記事で神葬祭の概要を理解して、故人や遺族に失礼の無いようにしておくとよいでしょう。